2019/04/30 22:24

初期の2枚のフレキシ(ソノシート)は別として、"Evil,Vicious,mean & Ugly"はM.A.N.VS.M.A.N初のヴァイナル・フォーマットでの音源となります。
レコード・コレクターでもある自分が、こういうバンドがいたら重い腰をあげてライブに行くし、音源も買うよなってのが自分のバンドの目指すところですので、晴れてこうやってアナログ盤をリリース出来るのは望外の喜びでもあります。
ただ、喜んでばかりもいられない状況もありまして。
以前にもブログで取り上げた通り、今、ヴァイナル盤の製作費用の高騰がえげつないことになっています。
某々タウンの社長さんじゃないですけど、はっきりここで原価をバラしてしまうと、今回の10インチの製作費用18万ほど。
一枚あたり900円くらいかかっています。
これはプレス業者によって料金の多寡はあるだろうけど、どこもそうは大きく変わらないでしょう。
ここで自分は、某々タウンの社長さんとは逆に、日本のバンドやレーベルのヴァイナルの価格設定はむしろ安すぎないかと問題提起したいんです。
今回、我々の10インチの店頭販売価格が2600円。これ、お店には1820円で卸します。製造や販売、飲食の業種に就かれている方ならわかると思いますが、原価率35%の商品を定価の50%で卸してって相当しんどいですよ。
一方で、自分らよりもヴァイナル盤を安い価格設定にしているバンドやレーベルもいます。確かに、お客さんに少しでも安く音源を提供したいという思いはわかります。
が、それでレーベルやバンドが疲弊してしまったら、元も子もありませんし、安くしなきゃという風潮が広まるのが怖い。
そもそも、安く音源を広めたいなら、ストリーミングでもCDでもbandcampでもいいわけで。レコードはある種の嗜好品と割り切ってダイハードなファン向けでいいかなというのが自分の考えです。
そうは言っても、いくら原価からしたら適正価格だからといって、ハードコアのレコードを5000円や6000円で売るわけにも行かないんで、自分なりに考えた価格設定が今回の2600円なんですけどね。

かれこれ20年以上前、自分がバンドを始めた頃は、安いライブ会場を探して、安い入場料でお客さんにライブに来てもらおうというスタンスでした。それは、ヘビー・ミュージック・ブームへの反発というか、当てこすり的な面もままありましたが。
今、逆にレコード安過ぎじゃない?もっと上げようよと当時と逆のことを言ってますが、要するにこのままだと誰も得しない、総倒れになるかもしれない、なりたくないということです。要は。

この先、ヴァイナル盤の製作コストは上がって行く一方でしょう。今、一枚あたり900円のプレスコストが、今後、2000円、3000円と上がって行く可能性は充分ある。
実際問題、欧米では7インチのリリースが激減している。欧米のバンドのレベル低下
はこれも大きな理由と考えて間違いないでしょう。
もしかしたら、今がヴァイナル盤レコードをリリースする最後の機会かもしれない。そんな危機感あっての今回のリリースでして、そこも噛み締めてもらいながら聴いてもらえたらと思います。