2018/02/15 01:34

http://superlame.theshop.jp/blog/2018/02/15/002043からの続き

てなことをfacebookに書き込んだら、もう欧米のレコード・コレクターから袋叩き。
「ヴァイナル最高!少々高くても俺はヴァイナル買うぜ!何が悪い?」そんな意見ばかり。

はいはいはい。俺もそうですよ。高くてもヴァイナル盤レコード買います。好きなんで。
でも、みんなが俺たちみたいなダイハードなコレクターではないだろうし、それ以外の部分でヴァイナル偏重による歪が出てるから考えましょうよって話してるわけ。

この10年ほどで、自分は現行の欧米のハードコア・バンドに完全に興味を失ったんだけど、理由がわかった。
アメリカやヨーロッパの連中の多くはバカで感性も鈍、いや愚痴はやめましょうか。殆ど言ってしまったけれども 笑

前向きな話をしましょう。
ヴァイナル盤7インチが高嶺の花であるならば、それに代わるフォーマットはなんだろうか。

ストリーミングやダウンロード。
個人的にはわりと活用しているし、試聴メディアとしてはこれを超えるものはないのだが、若年層にしか馴染みがない。
オーバー30,40,50がメインターゲットのこの手の音楽にはまず向かない。
自分たちも含めて、99.9%のハードコア・バンドは職業音楽家ではないので、無料で流通させて無料で聴かせることが出来るのは魅力的だ。
この年代になると、皆家庭を持ちなかなかレコードやCDを購入する余裕がない中で、こうした試聴メディアはリスナー側からしても魅力的な筈なのだが。もっともっと日本のレーベルも、バンドもネット上での音源公開に積極的になって欲しいし、同世代のリスナーも活用してくれたらと思う。これが7インチにとって替わることは絶対ありえないけれども、かつてのデモテープの代替としては悪くないのだが。

続いてCD。日本のシーンでは今もCDが主流のフォーマットで、7"の死で書いたような、デモの次のバンドのステップとしてもそれが機能している面はある。一方で、日本でのCDの根強い人気はネット上の音源公開が進まない現状とも表裏一体でもある。
現在のカセット・ブームのように突然CDがリバイバルする可能性もなくはないが、何しろCDの致命的欠点として色気がない。
書籍でいえば、文庫本のようなものだ。
それはそれとしてのニッチな位置づけで生き残るだろうが、大きな役割を果たすことはもうないと思う。

少し触れたがカセット。個人的な好みを別にすれば、これはわりとこの先可能性はあるのでないか。
ヴァイナル盤ほどの色気はないけれども、CDよりは色気があり、ヴァイナルよりは格安である。
で、個人的な好みを別にすれば、なんだけど。
自分は昨今のカセット・ブームがどうも苦手なのだ。
突然とってつけたようにリヴァイヴァルしたので。
もっとも、自分もカセットを買うこともある。
それは、カセット文化華やかりし頃のオリジナル版カセットに限定しての話である。
80年代のハードコアのデモはもちろんのこと、70~90年代の東南アジアポップスなんかは、当時カセットで買い求める。
ちょいと話がズレるのだが、東南アジアでは、70年代くらいから既にレコードからカセットに移行していたのだ。
これ、欧米諸国よりもタイミング的には早い。
カセットは今でこそオシャレアイテム的位置だけど、一昔前は録音テープなんか今のCDRくらいの位置付け。
要は利便と廉価を追求した結果の使い捨てメディア。
が、貧しい人たちが多い東南アジアでは、利便性、使い捨て、廉価ゆえに、カセットが裕福な人たちでなくても気軽に音楽に触れられる機会をもたらした。
逆に、製作側からしても、ちょっとしたアイディアと情熱を持ってる小金持ちがノリと思い付きでレコード(カセットレーベル)会社を立ち上げることも可能だったに違いない。
話は思い切り逸れたけれども、そういうエキサイティングな時代のドキュメントとしてのカセットは魅力的である。
だからこそ、今のファッションだけのカセットブームには抵抗を感じてしまう。
そんなわけで、個人的にはカセットには複雑な思いはあるのだけど、若年層中心に可能性のあるフォーマットであることは受け入れざるを得ない。選択肢としてはありだろう。

で、自分が今7インチ・シングルに替わるフォーマットとして、一番可能性のあるフォーマットと思っているのがフレキシ。
つまり昔でいうソノシートである。これが250枚プレスという小ロットが10万弱で作れる。ほぼほぼ一昔前の7"と近い単価。
ジャケも7"シングルと同じサイズで作れるし、納期もヴァイナルよりは融通が利くようだ。
片面しか収録出来ないけれども、まあハードコアなんで問題ないだろう。
自分たちも機会があれば作ってみるかも。