2019/05/17 12:10

アメリカン・ハードコアの発掘もある程度まで進み、市場価格$20~30程度のレコードにもぼちぼち陽の目があたるようになりました。
というと、ショボッと思われる方が殆どだと思いますが、ハードコアがある程度のポピュラリティを得て、ジャンルとして確立された結果、それなりの流通網に乗って大量プレスされたから市場価格が低いだけの話です。内容がつまらないからってわけではありません。
ジェロ・ビアフラ御大みたいに、ハードコアに独創性(という名のただのAlternative Tentaclesスタイル)を求めるだとか、あれは初期衝動だから良かっただけで片付けてしまう、音楽史至上史観の持ち主の方はまた別の見方をするかも知れませんが、そんな人、ここにいないよね?
こちらのノース・キャロライナのクロスオーヴァー/スケートロック寄りハードコアSubcultureの86年作アルバムは、そんな80年代中期の隠れた名盤のうちの一つだと思います。82年、まだ高校生だったメンバーを中心に結成。地元大御所C.O.Cに気に入られ頭角を現し、85年にI like girls,I love nature デモを発表した後、メタルの大手レーベルDeath Recordsからデビュー。レーベルイメージ的にはかなりメタルな先入観を持ってしまうが、あくまでエッセンスとしてのメタル要素であり、基本はハードコア。初期C.O.Cはもちろん、Life sentence、Target Of Demandあたりのファンならまず気に入ると思います。