2019/03/18 23:41
自分はほぼ80sのハードコアしか聴かないのですが、リアルタイムに10代、20代を過ごしたのは90年代です。終わりの始まりといいますか、まだ80年代の名残りで今なんかに比べると90年代にはまだそれなりにいいバンドがいました。
ハードコア終焉の足音が聞こえつつあったこの時代を生き延びた、数少ないバンドを紹介しようと思います。
Aspirin Feast
後にBrotherhood , Christ On A Crutch、ハードコア以外でもFoo Fighters, Sunny Day Real Estate,Tree Peopleといったバンドに派生していくスーパー・グループ、Diddly Squatを母体に結成されたスピード・コア・バンド。
Diddly Squatsじたいはクロスオーバー・スケートロック色もあり、結構売れるということに対して色気もあったバンドと推測されますが、その中でもFoo Fighters,SDRE,Tree peopleには合流しなかったメンバーが集まり、よりハードコアに純化して行ったのがAspirin Feastではないかと思われます。
そういえば、上記コンピレーションのインナーには、強固な反グランジ・ステートメントが冒頭を飾っています。我々はつい全てのアメリカン・ハードコア・バンドがグランジやオルタナティヴ・ロックに移行していったと考えがちなのですが、もちろんそれらに相反する流れもありました。
それは決して大きな流れにはなりえませんでしたが、MK-ULTRAだとかLos Crudosだとかの90年代の地下ハードコアの隆盛の礎となったのはこういう無名ではあるけれども、あくまでハードコアらしさを貫いていたバンドだったのかもしれません。
ちょいと私的な思い出話にズレますが、アメリカ旅行中、Aspirin Feastのパッチをつけていたら、元Champion(ボーカルがロリコン事件を起こして問題になったニュースクール系ハードコア・バンド)とかいうバンドのメンバーのやつから、お前はこんなバンドどうやって知ったんだ、俺の地元のバンドで大ファンなんだと熱くAspirin Feastを語られたことがありました。
地味ではあるけれども、人々の心に残るバンドだったんですね。
Police Beat 7″
1stデモから2曲カットされヨーロッパのレーベルよりリリースされた彼らのデモ。
How Do you Call the Cops on the cops 7″
1st 7″。ハンドメイドのジャケでロゴの色は赤、黄、白黒などプレスによって違う。
Split 7″ with chicken
後続バンドChickenとのスプリットで、バンド解散後の97年にリリースされた。
Stand Off – Over All 7″
ウィスコンシン州のバンドによる94年作。当時は本当にリアルタイムで聴ける良質なレコードが全くなかったので、これを発見した時は本当に嬉しかったのを覚えています。音楽的には、いわゆる88スタイルになる前のもっとハードコアだった頃のStraight Aheadに近いキャッチーな激速ハードコアといった趣です。もっともSxEバンドではありませんし(思い切り裏ジャケで紫煙を燻らせております)、今どきのなんとかクルーだとかなんとかスクールのハードコアを聴いてる若者が聴くとガッカリすること間違いなしです。
後ほど知るのですが、このバンドには、Beer Cityからのリリースもあってわりと知られているDefaultというバンドのメンバーが参加しています。結局、ホンモノのアメリカン・ハードコアのカッコイイ部分を知っている人間というのは限られていて、どこの地域でも掛け持ちのまた掛け持ちでどうにかこうにかシーンを成立させていたんだなと痛感させられます。
で、このDefaultがまたカッコイイので続きはこちらから。
http://www.mkepunk.com/releases/hardcore/stand-off-over-all-7-inch/
http://www.mkepunk.com/releases/hardcore/10-96-stand-off-illusion-of-freedom-split-7-inch/
http://superlame.theshop.jp/blog/2018/01/03/002818