2018/10/17 19:14

東南アジアツアーに向けた再録盤アルバム、Evil,vicious,mean & uglyですが、ご安心下さい。
ちゃんと新曲も入ってます。
で、その新曲2曲について解説しようと思います。



Evil Vicious Mean & Ugly Trailer(HQ)



以前ブログでも書いたのですが、今年の頭にリリースした、クラシック・ハードコア・カヴァー集、Hardcore 2018は色々と自分たちにとって転換期になりました。
改めて、名曲とされている曲をコピーしてみて感じたのは、本当にインパクトのある曲って、コード進行だけでいえばびっくりするくらい素っ気ない。もしくは、ダサさ・野暮ったさとスレスレのカッコ良さがあるということです。
今まで、自分たちは素っ気ないだけの曲、野暮ったいだけの曲に陥ることを恐れて、変に作りこんだ、考えすぎた曲が多かった。
考えて、作りこんだ曲にすれば、少なくともそこそこに水準の高い曲にはなります。
作りこまれた音楽の例で言えば、K-POPがそうです。
K-POPは、野暮ったい「だけ」のJ-POPに比べると遥かに洗練されていて、水準は高い。
ただ、水準は高いけれども、面白いか面白くないかといえば、あまり面白い音楽ではない。
もちろん、水準も低ければ野暮ったい上に面白くもないJ-POPよりはK-POPの方がずっと上ではありますが。

ただ、自分たちはハードコアの枠組みにおいて、K-POPみたいなことをやってしまっていたのではないか。ちょっとスタイリッシュというかオシャレな方向に舵を取りすぎてたなと感じるところがありました。それはそれでいいんだけれども、自分たちが影響を受けてきたものは野暮ったいけど突出していて、何かしたらひっかかってくるエッジの利いたハードコアなんじゃないか。それをやろうじゃないかというのが最近のM.A.N.VS.M.A.Nの方向性です。

 ではそんな方向性から生まれた新曲2曲について解説してみようと思います。

SICK SOCIETY

I can't pretend to be smart
sometimes I know I have to do
利口に振る舞うのも楽じゃない
応じられたままに演じることもある

Everything sucks and fucked up in this Sick society
Break me down with daily life in this sick society
何もかも最低、どうしようもない イカレた社会
すり減って行く、沈んでいく日常、イカレた社会



 ミッドテンポのパンクとまでは言いませんが、初期っぽい曲調。初期っぽいのを自分らがやってしまうと、カリフォルニア・ハードコアでもharDCoreでもなく、東海岸ぽい感じになってしまいますかね。といって、前々作からの方向性のスピードコア路線を別に封印したわけではないです。前作のカヴァー集で、改めて往年のハードコアの名曲を聴き直してみて感じたのは、野暮ったいけど突出していて、何かしたらひっかかってくるエッジの利いた凶暴な音であれば何でもいいんじゃないかということです。その中で激速な曲もあれば重い曲もある、ミッドテンポの初期っぽい曲もある、自分らのバリエーションの一つです。実際、次のコンピ収録曲ではうんと速い曲とうんとヘヴィな曲やりますしね、ここらはまあお楽しみで。

My Advice

You told things I don't want to hear
I told you once before, This is last warning.
お前の話など聞きたくもない
二度目はないと言ったはず

My advice - Go Fuck yourself
俺からのアドバイスだ、くたばれ

 続いての曲は、まあ前身バンドからよくやってる目まぐるしく展開が動くやつ。イントロからの展開だと、late 80sのコネティカットあたりのSxEハードコア・バンドっぽい展開に流れるかと思わせて、そういうことは死んでもやりません。ボストン・ハードコアぽく突っ走って、お約束のようにブレイクダウンはするけど、突然UKスピードコア的に加速して締めです。そこでブラストビート使わなかったのは、我々はパワー・ヴァイオレンスじゃないし、ましてグラインドコアじゃないんで、あくまで80sスピードコアまでがルーツであるというポリシーですね。そこらを楽しんで聴いていただければ幸いです。