2018/06/11 00:16

端的な例でいけばSiegeでしょうか。
ハードコアの世界では、デモカセットのリリースしかなかった知られざるカルト・バンドがテープ・トレーダーの間で話題になり、正式なレコードやCDでのリリースに繋がることが多々あります。
今ではSiegeをカルトバンドと呼ぶ人はいないでしょう。





今回紹介するSick Societyが活動していたNYHC近郊ではAltercationやNYC Mayhemが筆頭ですね。






他にも7 Seconds/Token Entry系のAbombanationやSocial Decay,Lethal AggressionのメンバーがいたNJのクロスオーヴァーxスピードコアTxFxNx(Total Fucking Noise)など、いまだに正式リリースがない中で、亡くなったギタリスト、ジョン・マクガヴァンへの追悼という形で7"としてデモが陽の目を浴びたのがSick Societyです。ロジャー・ミレットがベースを弾いていたことで知られる初期NYHCバンド、 PSYCHOSのドラマー ビリー・サイコスや、SHEER TERRORでベースを担当してるジェイソン・カーターが在籍していたことでも知られますが、
まあはっきりいってカルト・バンドでしょう。
ただ、こちらの
89年デモ、凶悪・劣悪・凶暴な録音とは裏腹なほどに人懐っこいリフレインは、もしこのバンドが大きなレコーディングの機会に恵まれたら…という想像を搔き立てさせてくれます。デモとしては水準以上、いや、デモ音源発掘の醍醐味が詰まった作品だと思います。
歌詞はまあ酷そうだけれども、ヒッピーどもの神経を逆撫でしてやれ的無思想なバカウヨ趣味でしょうね。
ハーリー・フラナガンすらトランプ大統領を真っ向から批判する今のご時勢には通用しない、
この時代ならではだと思います。