2018/05/21 23:31


曲作り編
色んな曲作りの方法があると思いますが、
自分の場合、まず曲名を決めます。
この手のジャンルだと、コーラスパートはその曲名の連呼になると思うので、曲名のイメージから膨らませて口リフでコーラスパートを作ります。
そこで膨らまないような曲名はダメなんでボツ。
やっぱり曲名がかっこいいバンドは音もかっこいいですよ。
バンドでもレーベルでもファンジンでもかっこいい曲のタイトルから取られたものが多いですからね。
で、その口リフに合わせて適当にギターを弾いてコード進行を決めます。
この場合、あえてアンプは通さずに弾くのがお薦めです。
確かに、アンプ通してギターをジャカジャーンと鳴らしたら気分は良いです。
しかし、そうすると、気分・雰囲気だけの「弱い曲」にゲタを履かせてしまうことがあります。
なので、曲を作る時は生音で、なんならハードコアなんでベースで作ってもいいくらいです。
そして、ある程度これは使えそうかな?と思ったら、アンプを通して弾いてみる。
アンプを通して弾いたら、世界が広がる曲。それがいい曲です。
自分たちの場合はキャッチーさ重視なので、口リフでコーラスから曲を作ります。
でも、スラッシュメタルみたいなリフが全ての音楽ならば、ギターで作りこんだ方がいいでしょう。
どこかのビートダウンのバンドのインタビュー見てたら、落とすパートから作ると言っていて、自分とは全く逆のアプローチだけど、理に適っていると思いましたね。
要は自分らのやってる音楽の肝はどこかって話なので。

アレンジ編
自分は楽器のスキルが全くないので、出来たフレーズを生("き"と読んで下さい)のままでメンバーに丸投げしてみんなで完成させてもらってます。
これは特に各々やり易い方法でいいと思います。
自信があれば、一人でほぼ完成形を作ってメンバーにコピーさせる方法もありでしょう。
ただ、ギターしか弾けない、ベースしか弾けない人はこのやり方はお薦めしません。
一人で曲を作るなら、少なくともギターとドラムぐらいある程度出来た方がいいと思います。

で、みんなで合わせてみて、構成やアレンジが遅々として進まない曲はボツですね。
ワンフレーズだけ出来て、それ以上広がらない曲もボツ。
強い曲であれば、どんな複雑怪奇な曲であってもサクサク進むものです。
いい曲は一発で覚えられますし、作ってて楽しいのでスムーズに進みます。
そして、曲の基本形が出来たらば、ギターソロだのチョーキング、ハーモニクス、ドラムやベースのフィルなど上もののアレンジもどんどん広がるのが強い曲です。

レコーディング編
デジタル・レコーディングの弊害は多々あるのですが、良い面もあります。
我々の場合、各パートトラック分けした上でせーののノリ一発でベーシックのトラックを完成させます。
このやり方だと、一発録りの勢いはそのままに、後で微調整も効くし、ミックスの幅も広がります。
自分らは分離の悪い音は好きではない…というと語弊がありますね。
劣悪な録音環境の結果自然と出来上がった分離の悪い音は好きなのですが(往年の南米のハードコアパンクのような音ですね)、
現代でデジタルの録音環境で無理に作り上げたような分離の悪い音はどうも苦手で。
何度も何度も言ってるのですが、ダメージ加工のデニムパンツを味があるとは思えないのと同じことです。
で、この一発録りトラック分け方式では、モニターから音を出すわけにいかないので、全員ヘッドホンを使って演奏します。
これがちょっと慣れが必要なんで、レコーディング前に肩慣らしを兼ねて練習するといいと思います。

こうやって完成したベーシックのトラックにコーラス(があるバンドなら)を重ねます。
先にボーカル?ギターソロ?それは後回しでいいんですね。
リードギターにしろ、ボーカルにしろ何なら一人でやれるんで、スケジュール調整が楽なんですよ。

で、思ってる以上に重要な、シンガロング・コーラスの基本三点。

1.「ボーカリストの声質に寄せる」
コーラスを録る時は、各自ボーカリストの声色を真似るつもりで歌って下さい。
で、どんなに似せようと寄せようと、所詮は別人の声ですから、ズレが発生します。
そのズレがコーラス全体の迫力になります。

2.「音楽性に合わせる」
例えば、ウチのバンドだったらば、ハードコアの中では比較的ヘヴィでイカつい音です。
ならば、コーラスもドスを効かせて迫力を出した方が絶対マッチします。
逆に、ポップでファニーな感じのバンドさんなら元気にキャンキャンシャウトした方がいいでしょう。
ことコーラス録りに関してはミスマッチの妙というものはありえません。

3.「テンションを上げる」
朗々と熱く歌い上げているようなコーラスであっても、声量限界までがなるくらいの勢いで歌った方がよろしい。
ハモりを重ねてメロディを聞かせるジャンルではないでしょう。予想以上にテンション上げてもらって大丈夫です。

で、リードギターに関しては自分は本当にわからないですし、こういうジャンルだとそこまで重要ではないのでとりあえず置きます。
ボーカル録りですが、まず、レコーディング前だけは練習は非常に大事です。
もちろん、ボーカルなんて本来練習を必要としないパートです。
メロディやリズムに沿って歌うとか、お腹から声を出すとか、こんなことをスタジオに入って練習するのは恥ずかしい話です。
ただ、レコーディングに関しては話は別です。
流れ上、どうしても息が続かずに二度に分けて録るパートもあるし、発声の配分ペースを掴んでおかないと、確実に喉を潰してその日のレコーディング費用が無駄になります。
歌詞もカンペを見ずに完璧に覚えるくらいにしておいた方が良い。カンペ見て歌うとどうしてもノリが出ませんから。

で、最後にミックスですが、デジタル・レコーディングの難点として、誇張抜きでみんな同じような音になりがちです。
ですから、ミックスは重要。
ミックスの技術面に関しては素人なので云々出来ませんが、エンジニアの人間性、これはとても重要です。
人間性といっても、その人が個人的にいい人かどうとかそういう話ではありません。
むしろ、どんなに内面はいい人でも口下手はダメです。
感覚的な音作りを言葉でやりとりして作業を進めるわけですから。
また、人の話を聞かないエンジニア。こういうタイプも難しいですね。
その辺も見極めてスタジオを選ぶとよろしいかと思います。