2018/03/11 22:07
アメリカン・ハードコアのピークというと81~83年と思っている方が殆どで、ある意味それは間違いではないんですが、商業的な広がりを見せたのは80s後期のクロスオーヴァーやスピードコア、ちょっと遅れて出てきたYouth of todayなんかのSxE再興の流れから。
悪く言えば、ハードコアがジャンルとして形骸化して行った時代です。そして、形骸化したハードコアが飽きられ、90年代に入ってヘヴィ・ロックやオルタナティヴ・ロックを取り込んで拡散化すると、ハードコア周辺(あくまで周辺)のシーンは更に商業的に成功して行きます。
ここにEbullition Recordsのプレス情報があるのですが、人気バンドは軒並み五千枚以上売っています。
Ebullition Recordsというと、音楽的にはヘヴィ・ロックやオルタナティヴ・ロックを取り込んで拡散化したハードコア"周辺"でありつつも、活動方針は昔ながらのゴリゴリ・ハードコアな反商業主義。
プロモーションといっても、DIYなハードコア・ファンジンに広告を打つくらい。それでこれだけの売り上げを残したわけですから、いかに当時のシーンが広がりを見せていたかおわかり頂けるかと。
さて、スペインでは、前述したPrap'sのように、もろに米国のシーン(ここではニューヨークのいわゆるタフガイ・極悪ハードコア)からの影響をもろ被りに受けて変わって行くバンドがいました。
一方で、Sin Dios(いずれ紹介しますので動画だけ)のように、80年代の欧州ハードコア・シーンの流れを汲んでブレずに続けて行くうちに、アンダーグラウンド・ハードコア・シーンのネットワーク評価が高まったバンドもいました。
次に紹介する24ideasは両者のハイブリッド的な位置づけだったかも知れません。
24 Ideas - S.T CD
Voorhees - violent... 7"
ファッションは変わってもスタイルは変わらない。
自分は当時Youth Strike Chordというバンドをやってたのですが、刺激(影響ではない)を受けまくりましたね。
上手く時代性さえ打ち出せば、自分らの一番好きなスタイル、そこは変えなくていいんだというヒントになったバンドです。
当時をリアルタイムで知る人はわかると思うんですが、誰が聴いてもハードコアであると納得出来るようなバンドって全くいなかったんですよ。伝統的ないわゆる「ジャパニーズ・ハードコア」が根強い日本ではあまりピンと来ないかもしれないのですが、アメリカやヨーロッパのシーンはそうでした。ファストコア、イーモウ、タフガイ・ハードコアといった、ハードコアからの派生や傍流はおおいに盛り上がっているのに、王道がない。いや、ハードコア最高なんて口に出すのがむしろダサいとされていた時代だったのです。
Negative Approach,Articles of faith
Antidote,SOA,
Minor threat,SSD
Cause For Alarm,MDC
ハードコア最高!
Agnostic Front,7 Seconds
Killing Children,Mecht Mensch
Poison Idea,DYS
Impact Unit,Negative FX
ハードコア最高!
バンドじたいは00年代に入っても活発に活動を続け、リリースを重ねていきますが、作品としてのピークはこのviolent...と、1st LP Spilling blood without reasonでしょう。