2018/03/05 01:58
92年だったかと思います。
MadballのDroppin many sucker という2枚目の7"が発表されました。
Agnostic Frontは好きでしたし、前作Ball of destruction 7"が未聴だったため、大きな期待を持って手に入れたのを記憶しています。
が、自分にはどうも馴染めず、これはちょっと違うかなと違和感を覚えました。
MadballのDroppin many sucker という2枚目の7"が発表されました。
Agnostic Frontは好きでしたし、前作Ball of destruction 7"が未聴だったため、大きな期待を持って手に入れたのを記憶しています。
が、自分にはどうも馴染めず、これはちょっと違うかなと違和感を覚えました。
そして、94年のSick Of it allのメジャーデビューアルバム、Scratch The surface。
この頃からこの手の音楽をあまり聴かなくなりました。
で、ちょうどその頃から、今でいうビートダウン、タフガイハードコアが台頭し始めます。
その2枚のレコードを支持するか支持しないかが分岐点だったのかもしれません。
自分みたいにこの手の音楽から離れて行く層と、新しく支持する層が入れ替わったんですね。
ビートダウン、タフガイ・ハードコアというと、音楽的にもスタンス的にも、それってハードコアなの?と賛否両論ありました。
しかしながら、大きな支持を集めたのと、かなりメタル寄りのアプローチを取りながらも、Cro-magsやAgnostic Frontといった80年代のNYHCをルーツにしていたのは事実。
しかしながら、大きな支持を集めたのと、かなりメタル寄りのアプローチを取りながらも、Cro-magsやAgnostic Frontといった80年代のNYHCをルーツにしていたのは事実。
というわけで、その辺りの90sタフガイハードコアを取り上げ…るわけではありません。
ちょっと考えてみて下さい。
80年代のNYHCの最後の世代、前述Madball,Sick Of It All,Outburst,Killing Time,Breakdownらの台頭が80年代末。そこからタフガイハードコア勢の台頭が90年代半ば。はい、5年弱ほどの空白期間があるんですよ。
では、その間何があったのか。
80年代のNYHCの最後の世代、前述Madball,Sick Of It All,Outburst,Killing Time,Breakdownらの台頭が80年代末。そこからタフガイハードコア勢の台頭が90年代半ば。はい、5年弱ほどの空白期間があるんですよ。
では、その間何があったのか。
何もなかったんです 笑
Youth Of TodayやGorilla Biscuits,Boldといったストレイト・エッジ勢が軒並み解散、ポスト・ハードコアの台頭と、相次ぐ暴力事件でバンドの活動の場がどんどん失われて行ったのがこの時期だったんですね。
ただ、そんな時代にも頑張っていたバンドはいるのはいました。
Goon squad - uglier than your sister 7"
マンハッタンの生粋NYHCではなく、ロングアイランドの出身かな。
イタリア系と思しきメンバーの佇まいがいかにもNYHC的な独立リーグのSick Of It All。
イタリア系と思しきメンバーの佇まいがいかにもNYHC的な独立リーグのSick Of It All。
江夏二世とか松井秀喜二世とかいうルーキーが大成しないのと同様、この7"一枚を残しフェイドアウト。
Insult to injury - Hostile behavior 7"
シカゴの激速タフガイ・ハードコア。Negative Fxのチョークばりの塩辛声にNYHCを倍速にしたようなタフで猛烈に速いスピードコア。00年代に入ってからも細々と活動していたみたいですが、その時期の音源は凡百のタフガイハードコアでつまらない。
Backlash - ...once ago 7"
90年代初期らしいストンピンなハードコアなのですが、しっかり歌心があるのがポイント。姫路のMeaning Of Lifeのルーツはこのバンドなのかなと思ったり。10年ほど前にディスコグラフィ盤が出ました。
この頃から、米国のハードコア・バンド、とりわけ東海岸のハードコア・バンドが頻繁にツアーするようになり、現地でもそれらのフォロワーが続出します。
Violent Abuse - The sky 7"
妖しく蠢くベースラインとユーロらしいウェットな質感のクロスオーバー・ギターサウンドが「らしい」ドイツ産。
太い声でがなり立てるボーカル、ドコドコ踏み込むツインペダル、スロウパートを強調した曲構成(しかし全く踊れない)と一生懸命Cro-magsになろうとしているんだけど、なり切れないところが泣かせる。しかしながら、疾走感と勢いはなかなかのもので、N級クロスオーヴァー・スケートロック・ファンならきっと気に入ると思います。
太い声でがなり立てるボーカル、ドコドコ踏み込むツインペダル、スロウパートを強調した曲構成(しかし全く踊れない)と一生懸命Cro-magsになろうとしているんだけど、なり切れないところが泣かせる。しかしながら、疾走感と勢いはなかなかのもので、N級クロスオーヴァー・スケートロック・ファンならきっと気に入ると思います。
USフィラデルフィアに同名のバンドがいますが、それとは別。しかもそのバンドもメンバーにドイツ人いるんですよね。
知らなかったとは言わせねえ。
このバンドも前述Violent Abuseに通じるNYHCフォロワーなんだけど、ストンピン・モッシュ・ハードコアとしてはダメでも、クロスオーヴァー・コンバット・コアとしてはそこそこ優秀なんですよ。ボーカルちょっとマイク・ミューアを野太くしたような声で「らしい」です。M.A.N.VS.M.A.Nのドラムのようなクロスオーバー廃人でなくても、楽しめると思いますよ。
Growing movement - S.T 7"
Doll誌で別宮エリカさんにボロクソ書かれてたので怖くて手が出なかった人もいるかもしれませんが、今聴くと結構面白いWe biteリリース91年作。なんだっけか、ハスカーデュー、ダグ・ナスティ系メロディック・ハードコアにNYハードコア系のストロングなボーカルが乗るミスマッチみたいなレビューでしたね。
USハードコア・バンドのライセンス盤で儲けた資金を地元のバンドに投資・還元するという方針もあまり実らず、ユーロバンドの音源だけ投げ売りされてましたが、後年のボーカル氏の闘病生活が泣かせます。
Worn Out - S.T 7"
スイスのCwilというメタリック・ニュースクールの前身となるハードコア・バンド。
スイスといえば、社会主義SxEクルーLast struggle crew(Manlifting-banner,Feeding the fireらが名を連ねる)Pro-faxを思い浮かべる方もいるかもしれません。やはり親交深かったようで、Worn Outのメンバーが運営していたPrawdaからPro-faxの全曲集が出ています。
で、これも例によってストンピング・モッシュコアとして微妙だけどクロスオーヴァー・コンバットコアとしてはなかなかいい線を行く感じ。
スイスといえば、社会主義SxEクルーLast struggle crew(Manlifting-banner,Feeding the fireらが名を連ねる)Pro-faxを思い浮かべる方もいるかもしれません。やはり親交深かったようで、Worn Outのメンバーが運営していたPrawdaからPro-faxの全曲集が出ています。
で、これも例によってストンピング・モッシュコアとして微妙だけどクロスオーヴァー・コンバットコアとしてはなかなかいい線を行く感じ。
Prap's - No 7"
前述Insult to injuryに近い、スピードコア+ストンプコア、こちらはフロム・スペイン。
このバンドも後期は凡百のタフガイハードコアになっちゃうんですね。
後の24ideasなんかに影響を与えたのかも…その辺のもっとガチにハードコアなバンドは次回以降に触れますね。