Free Stickers With Every Order: A History Of Hardcore Stickers (by Rackow, Thomas) Book
¥6,999
International shipping available
名『ハードコア・ステッカーの歴史』は、ハードコア・パンクにおけるステッカーの視覚的・文化的遺産に焦点を当てた、初の書籍です。はかなく消えてしまいがちな一方で手頃に作れるステッカーは、小さなフォーマットながら強い表現力を持ち、シーンのDIY精神を形作るうえで重要な役割を果たしてきました。
1980年代初頭から現在に至るまでの北米を網羅したこの豪華ハードカバー版は、希少で、長らく失われていたものも多いハードコア・ステッカーを厳選して収録したアーカイブです。本来は保存されることを前提としていなかった媒体から掘り起こされた、貴重な資料でもあります。ステッカーは安価に作れて配布もしやすく、その即効性ゆえに、宣伝であり抗議であり、同時にアイデンティティやコミュニティを示す手段として機能しました。街灯やライブハウスの壁、レコード棚、道路標識などに貼られたそれらは、会場の外へと広がり、ハードコアの価値観を街中に浸透させていきました。
数十年にわたって収集され、関係者への直接インタビューによって文脈づけられた本書は、フルカラーの豊富なビジュアル資料と、7 Seconds、Quicksand、Agnostic Frontといったバンドのメンバーを含む当事者たちの証言を組み合わせた内容になっています。
『Free Stickers with Every Order』というタイトルは、「ご注文ごとに無料ステッカー付き」というユーモラスな言い回しですが、実際にステッカーが付いてくるわけではありません。本書は網羅性よりもキュレーションを重視した構成で、あえて厳選された素材によって全体像を浮かび上がらせています。というのも、ステッカーという性質上、多くの資料は時の流れとともに失われ、すでに復元不可能なものも少なくないからです。
一点だけ難を挙げるとすれば、当店のお客様にはあまり響かないであろうニュースクールやユースクルー、メタルコア系のバンドのステッカーも含まれている点でしょうか。それでもなお、手元に置いておきたくなる価値のある一冊であることは間違いありません。
ハードコアの視覚言語や価値観、コミュニティの空気感を、当時を知る人々の証言とともに凝縮した本書は、まさにタイムカプセルのような存在です。
-
レビュー
(427)
