A Roadie's Tale (by Civ) Book
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1987年、ユースクルー系SxEバンドのYouth of Todayは、機材を満載した走行距離15万マイルの1981年式シボレーでニューヨークを出発し、ツアーに出た。助手席には、同じNYHCシーンのバンドGorilla Biscuitsのアンソニー・シヴォレッリ(CIV)が座っており、彼はローディーとして過ごしたその夏を日記に記録している。思い出話やフライヤー、写真、Tシャツなどをまとめたものが、著書『CIV: A Roadie's Tale』だ。
この本は、きちんと書き起こされ(つまり読みやすく編集され)、まるで語りをそのまま聞いているような感覚で読める。言ってみれば『イリアス』のようなものだ。本気でそう思う。ゼウスをToken Entryのアンソニー・コムナーレ(あるいはAgnostic Frontの『Victim in Pain』に登場する全知的な存在)に置き換えてみてほしい。アキレスはボーカルのレイ・カッポ、パトロクロスはギターのポーセルだ。これはハードコア版の叙事詩である。
実際、『イリアス』同様、CIVは善と悪のはっきりした対立を体験する。アリゾナやデトロイトではナチス系スキンヘッドが現れ、地元のパンクたちを悩ませていた。彼らはYouth of Todayに、街に来たら立ち上がってほしいと懇願する。バンドは自衛のため、厄介なスキンヘッドのサスペンダーを引きちぎり、鼻をへし折る。いっぽうで最も善良な存在として描かれるのは、親が留守のあいだ家を開放してくれる友人や、プール付きの家に連れて行ってくれる女の子、バンドにシリアルやドーナツを振る舞う見知らぬ人たちだ。
CIVは、こうしたハードコアな若者たちの実像とツアー生活を包み隠さず描き、想像の余地をほとんど残さない。そのおかげで、これまで知らなかったスラングもいくつか学んだ。たとえば「オイルをチェックする」とは、相手の尻に親指を乱暴に突っ込むことを意味する。どんなときにそんなことをするのか?もちろん、悪ふざけの延長でエスカレートしたじゃれ合いを止めるためだ。ステージでは屈強に見える彼らも、家では母親に洗濯をしてもらい、ガールフレンドの部屋に泊めてもらっている。自慰に関する描写も多く登場するが、それもまた彼らの正直さの表れだろう。こうした余計とも思える細部が、この本にリアリティを与えている。彼らはDIY精神を頼りに、仲間とともに全国を旅することのできた若者たちだったのだ。
彼らは常に空腹で、ほとんどジャンクフードばかりを口にし、ときおり蜂花粉をかじる程度だった。それでもメンバー全員が、この夏を人生で最高のひと夏のひとつとして記憶している。CIVはその感覚を見事に描き出している。自分たちもあんな幸運に恵まれたらどれほどいいだろうか。
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レビュー
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